蓄電池を設置する際の注意点
太陽光発電は、節電と余った電力を電力会社に売電できるということが大きな特徴でありメリットでもあります。
そのため、電力会社は売電価格を「1kWh○○円」と定め、その価格を基に買い取りをしてくれています。
また、最近話題になっている蓄電池も節電につながるため、太陽光発電蓄電池との組み合わせは非常に相性がよく、太陽光発電と合わせて設置をする一般家庭が増えています。
しかし、太陽光発電と蓄電池を一緒に設置した場合、少し注意しなければならない点があります。
今回はその注意点についてお伝えします。
太陽光発電には「発電モード」がある？
太陽光発電は、もちろん太陽光がなければ発電ができないのはご存知のとおりです。
太陽光発電には発電モードがいくつかあり、太陽光のある昼間に、太陽光発電で発電した電力だけでご家庭の電力を補う場合は「シングル発電」というモードになります。
そして、蓄電池を設置した場合は、太陽光発電と同時に蓄電を行う「ダブル発電」というモードになります。
※太陽光発電と蓄電池を設置している一般家庭は、ダブル発電になる可能性があります。
上記の違いについて結論を先に言いますと、「売電価格の差」となります。
太陽光発電と蓄電池を併用する「ダブル発電モード」では、ご家庭にて発電及び蓄電した電力を消費することによる電気代節約のメリット、そして余った電力は電力会社に売電をするという売電収益のメリットという２つのメリットの共存が可能となります。
ただし、シングル発電とダブル発電では電力会社の利益に差が生まれやすい（＝シングル発電の方が電力会社として多くの電力が見込める）ため、電力会社は売電価格に差をつけており、シングル発電のほうがダブル発電より売電価格は高くなっています。
ですので、一概に「ダブル発電の方がおトク」というわけではありません。
発電モードを選ぶ基準とは？
これについては、一概にどちらのほうがいいというわけではなく、その家庭の生活スタイルによって変わってきます。
■昼に電力を使うことが多く、かつ太陽光発電の発電量が少なくて太陽光発電で補えない場合は「ダブル発電」
■昼に電力を使うことが少なく、かつ太陽光発電の発電量が多くて十分に補える場合は「シングル発電」
というのが簡易的な指標になります。
また、蓄電池の機能によっては「常時放電する」「売電中は放電が止まる」「切り替えができる」という3タイプの種類があるので、設置する前にしっかりと確認をし、切り替えができる場合はシングル発電かダブル発電か生活スタイルから判断をし、発電モードを選択することが重要です。
売電価格の推移
売電の制度が始まった当初は、電力会社が自主的に電力の買い取りを行っていましたが、国として2009年に本格的に余剰電力買い取り制度が始まりました。
また、2012年には太陽光発電以外の再生可能エネルギー（風力、水力、地熱など）の買い取りも始め、それまでは電力会社によって売電価格の単価が違いましたが、売電価格の単価を全国一律にし、全量買取制度も始まりました。
＜用語解説＞
■余剰電力買取制度
主に家庭用の太陽光発電が該当し、太陽光にて発電した電力をまず家庭で消費をし、それから余った分を電力会社に売電をすること。
■全量電力買取制度
主に産業用の太陽光発電が該当し、太陽光発電した電力を一旦全て電力会社に売電し、自身で使う分は電力会社から購入すること。
2009年の一般家庭の売電価格は48円/kWhで、売電の期間は設置した年から10年固定とされており、節電と売電でメリットが非常に高かったため、2009年から太陽光発電を行う一般家庭が増えました。
しかし、この売電価格については、年々下がってきているというのが実情です。2013年には40円/kWhを切り、そこから38円/kWhに下がり、そして2018年にはついに30円を切り28円/kWhとなってしまいました。
そのため、昔ほど売電としての効果は薄くなってきているので、太陽光発電単体としての導入ではなく、蓄電池などの省エネ機器との同時設置が叫ばれている、ということになります。
今回のまとめ
売電価格に関しては、今後も下がっていく可能性が高いと言われています。
ですが、太陽光発電と蓄電池は何も売電だけが特徴ではないので、「電気代の節減」「災害時などの停電対策」として、太陽光発電と蓄電池を合わせて設置をする一般家庭が増えています。
「太陽光発電は設置しているけど蓄電池については検討していない」という方でも、意外なメリットが出ることがありますので、お気軽に弊社へご連絡下さい。
